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<<   作成日時 : 2008/06/21 12:17   >>

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これが同じ芦原すなお作品の一つなのか、と(良い意味で)
びっくりさせられるのは、この『雪のマズルカ』。
ちなみにマズルカとは、大雑把に言ってしまえばポーランドの
民俗舞踊というかその音曲のことも指すそうで、主人公
笹野里子のお気に入りでもあります。

彼女は亡夫の跡を継いで私立探偵をしているヒロインです。
その夫というのが、まぁ、どうしようもない男で、生きている
ときもその死に様も、いや、(「死に様」というコトバはなぜか
どことなくカッコいいような響きを感じてしまうため、却下)
その死に方もあきれ果てて泣けもしないほど情けない方法
だったのですが。

この本の話自体のトーンは、どうにも重苦しいような印象を
受けてしまいます。陰鬱な雪空から物語の幕は開き、依頼人の
代理だという男は笹野里子を一代で財を築いた老人のもとへと
誘います。が、彼女自身の依頼の受け方のスタイル、報酬の
明細は、ため息が出るほど格好いいのです……すなわち、
『気分手当』。仕事を受けてやってみた上で、変わるかもしれない
ということをあらかじめ言っておけるこの強さ。
そういえば、何かのニュースで女性ばかりの会社で『失恋休暇』
とかいう福利厚生があるというのを見たような覚えがありますが、
あれとはまったく似て非なるものです。

タフな女探偵との二人の男やもめたちとのやり取り(一人は、
同業者の文学中年な探偵で、もう一人は警察官)が、この
どこか殺伐とした雰囲気のクッションになっていますが、
やはり、ちょっとやさぐれた気分の時、どこか明後日の方に
でも目をやりつつ、斜に構えて「フッ……」とか言いたく
なった状態で読むのが、この本には似合っているのでは、
と思っています。
読み終わったときには自分のささくれだっていた気分が
消えているのが分かるはずです。

情けなくて涙もでないほどの死に方で彼女を置いて去った
夫の最期の状況を知った時、笹野里子は泣いています。
自分のやわらかな心を固い殻に押し包み、しゃんと頭をあげて
生きている、ハードボイルドを地でいったようなイイ女の
お話です。


雪のマズルカ (創元推理文庫)
雪のマズルカ (創元推理文庫)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして。
ブログへの訪問&コメントありがとうございました。
私も本が好きなので、また遊びに来ますね。
よろしくお願いします。
smile-one
2008/06/22 16:51
smile-oneさま、コメントありがとうございます。
こちらこそ、またお邪魔させてくださいませ〜。
よろしくお願いします。
小むらさき
2008/06/23 22:24

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