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<<   作成日時 : 2008/08/16 13:20   >>

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喫茶店に入って頼んだものが来る間に、そこを出たら電車が
来るのを待つ間に読めればいいやと思って、単に廉価と薄さに
惹かれて買った本でしたが……謝らなくてはなりません。
そんな不謹慎な理由だけでこの森見登美彦著『太陽の塔』を
買ったことを!

大学生の男の生態について、こんなに面白く書かれた小説を
読んだのは初めてでした。主人公の「私」に、飾磨、高薮、井戸、
湯島といった仲間(何の「仲間」かは読んでのお楽しみ)と
繰り広げられる日常が、もったいぶったような語り口の文体で
描き出されていて、読んでいてついつい口元がニヤケてしまい
ました。「私」は農学部の「休学中の五回生」とのことですが、
あの豊かな語彙で語る長広舌、文学部のほうが向いてるんじゃ、
と思ってしまいます。……ま、それはとりもなおさず作者の
筆の力なのでしょうが、こんなにきらきらしたリズミカルな
日本語に心地よく酔ってしまうのは久しぶりに思えてなりません。

かつての恋人の水尾さんを「研究」する「私」とかちあう遠藤
とのゴキブリキューブの贈りっこには笑いました。ライバル
(?!)同士でありながら、得体の知れない連中に付け回された
ときには「私」をかくまってくれたり、かと思えば、決戦の
クリスマスには、「持てるもの」(何を?! かは、これも
読んでのお楽しみ)になったときの、「私」にむけた優越の表情
への思いは、なんとも曰く言いがたいものです。

それにしても、私が学生だった当事者の頃、男子学生がこんな
状態なのかとイメージしていたものとは、大分違いました(笑)。
いえもちろん小説なのですから、一部の学生の生態であって、
私がイメージしたり実際に見聞きしていたものとの差もあります
が、こういうふうにもがき(?)ながら、妄想たくましく彼らも
二十歳前後の時期を過ごしていたんだ……と思うと、なんとも
うれしいような、こそばゆいようなで。

ああとにかく、8月の蝉のさなかに読んだ、何とも時期外れ
でしたが楽しい小説でした。舞台の京都の冬を、実際に体感しに
行きたくなってしまいました。





太陽の塔 (新潮文庫)
新潮社
森見 登美彦

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ありますね!ちょっと軽〜く読みたいんだよなぁって思う時、本屋さんにササッと寄って、これでいいかと思って読み出したら、ものすごく面白くて、続編も買っちゃったり。
やっぱり本も出逢いですね!
にぽぽ
2008/08/16 22:04
本当にそうですね、これは出会いだと
思いました! この著者にははまって
しまいそうです。今度書店に寄ったときには、
まっすぐ探しにいってしまうと思います♪
小むらさき
2008/08/17 22:15
これは不思議な感じがして面白かったです。
男汁のだだ漏れ具合が堪りませんでした。

2008/08/19 00:05
鯨さん、ようこそ。
集まって鍋をつついたり、余計な招き猫を
連れ込んだりと、印象的な場面が多かった
ですね〜。
「ええじゃないか」の宴のあと、人々が
どうなったのか、ちょっと興味があります。
小むらさき
2008/08/20 21:27

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