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<<   作成日時 : 2008/10/12 21:34   >>

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久しぶりに(私の選択肢内では)ハードな小説を読んでしまい
ました。作者は大沢在昌、タイトルは『魔女の笑窪』です。

ヒロインには名前がありません。正確には、彼女を示す名前は
偽名や暗号名、そして思い出したくもない過去の源氏名であって、
読み手に本名がわからないようになっているから。ですが、
たとえそうであっても、彼女の圧倒的な存在感になんら問題は
ありません。強い女の主人公好きな私が、これまでに読んだ
本のヒロインたちの中でも、順位は両手の指にはいるほどです。

それにしても、この小説にはとことん女の底力のすごさという
ものが描かれています。正負いずれの方向へでも、エネルギーの
向け方の凄まじさがまざまざと思い知らされるのです。ヒロイン、
水原の祖母が、実の孫である彼女を憎い嫁が生んだ子だから、と
いう理由で「島」(100年続いてきた娼窟の島。生きて出られた
女はこれまでに水原ともう一人だけ)に、たった14歳になる
直前で放り込んだり、理屈が通ってしまうと男は秘密を明け渡す
が、女は情が絡むからこそ、かえって自身の死まで秘密を守り
やすい、など、ここまで激しくはないかもしれないけど、確かに
そういう傾向があるかも、と納得してしまいました。

それにしても水原のタフな精神や人間観察の鋭さ、人を(何千人
ととらされた客のおかげで、男を、というべきでしょう)見抜く
眼力や、問題に臨機応変に対処していく知性にはほとほと感心
させられます。「女は常に自分を磨いていて損はない」、という
セリフが、実感を持ってずしりと胸に響きました。

「島」を抜け出したことが、とある人間から足跡をたどられて、
彼女に制裁をくわえるために「番人」がやってきます。なんとか
過去を断ち切るためにも、「島」を潰すと決めた彼女が手を
組んだのは、昨今の学のある日本のヤクザと、韓国人の風俗
関係者でした。昔とは時代も変わって、「島」には綻びができ、
水原がうまくつけ込んだそれというのは、中国人が侵入して来た
ことによる「島」のさびれでした。……表だろうが、裏だろうが、
どこにでも中国人がいるもんだ……と、改めて認識してしまった
一冊でした。





魔女の笑窪
文藝春秋
大沢 在昌

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