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zoom RSS あの劇の別の顔

<<   作成日時 : 2008/11/17 21:34   >>

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シェイクスピアの作品にちなんだり、それになぞらえた劇や
小説は浜の真砂ほどあるでしょう。これもその一つ、今風に
言えばスピンオフ?のようなものと言えるかもしれません。
著者はレベッカ・ライザート、タイトルは『三番目の魔女』
です。

元ネタというか、ベースとなる戯曲は『マクベス』です。
劇中、マクベスに「お前は王になる」と予言した三人の魔女
のうちの一人が主人公となっている物語で、『マクベス』自体
を知らなくても読めるお話にはなっています(とはいえ、
やはり読んでいた方がいろいろと腑に落ちたり、ああ、あそこ
の場面か、と自分の中で多層的に楽しめるはずです)。

やや暗い色調を帯びて話は始まります。それもそのはず、
ヒロインのギリーはマクベスを父の敵として、なおかつ自分
自身の鬱屈をはらすために討ち取ろうとしているのです。
行き場を失っていた自分を育ててくれた、森の薬草とりの
ネトルと、頭のネジがどこか緩んで別の世界を見据えている
マッド・ヘルガの二人に、マクベスを殺しにいくために力を
貸して欲しい、と頼むのですが、ネトルには「その考えは
お前自身を滅ぼすよ」といわれてしまうのです。
復讐心と憎しみに凝り固まっているギリーは耳を貸さずに
マクベスのすむ城へと向かいます。

途中、魔女狩りの手から命からがら逃げてきた魔女の息子
を拾うはめになり、彼と一緒にマクベスの城に台所係として
潜り込み、さまざまな人と巡り会うのです。先王の王子
マルカム、バンクォーの息子フリーアンス、優しいマクダフ
夫人、そして夫をそそのかし、血塗られた運命へと駆り立てる
マクベス夫人の正体とは……!
謎がほどけていくたびに味わえるぞくぞくする感じ、本当は
優しい心を持っているはずのギリーが自分自身と悲しい戦い
を強いている様子、イメージとして対極にあるだろうに意外
と近しい魔女と修道院の関わりなども、読めばきっと味わえ
ると思います。

作中の時代に生きた女性には、作者の、現代にこうして本を
読んでいられる今の女性観が投影されているのですが、
私もどちらかというと文字をつづり、本が読める今に生きて
いることをありがたいと思っています。
後書きの中で、作者はこのマクベスの物語の時代は、ちょうど
『源氏物語』の作者、紫式部の時代と対応する、と言っています。
世界最初の小説が生まれたところ、と持ち上げてくれて
いることに単純な私はすっかり嬉しくなってしまいました。

がっぷり四つになって取りかかるに足る、読み応えのある
物語です。



三番目の魔女
ポプラ社
レベッカ・ライザート

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