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<<   作成日時 : 2009/06/22 21:15   >>

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ワタシが読む海外物の小説は、英語圏のものがほとんどなの
ですが、今回ご紹介するのは、珍しくもフランスの作者の
物語です。タイトルは『優雅なハリネズミ』、著者は
ミュリエル・バルベリといいます……なんと2008年から
日本在住だとか!

主人公は、パリの高級住宅地のアパルトマンの管理人で、
54歳になる未亡人ルネ。もう一人の主人公で、その
アパルトマンに家族とともに暮らすパロマが、順々に語り手
となって話は進んでいきます。

パロマは12歳という若さですが、その優れた頭脳ゆえに
社会に幻滅し、アパートに火を放って自殺しようなどと考え
ています。一方、ルネは、自らの知性をひた隠し、管理人と
いう典型(頭が鈍く、TVをつけっぱなしにしているただの
掃除人兼留守番役)に徹しようとしています。そんな二人の
前に、アパルトマンの5階に引っ越して来た日本人、小津氏
が新しい世界を広げてみせてくれるのです。

いえ、ただ単に小津氏からの一方的な働きかけというばかり
ではない、と思います。ルネ自身が自らの殻を破り、枷を
解いていこうという意志が見ていて応援したくなるのです。
彼女の言葉に対する鋭敏な感性や、人間一般に対する洞察力
にも感心させられます。
そもそもワタシは、「能ある鷹」が「爪隠」している状態が
とても好きなのです。

ルネやパロマのように、言葉の美しさを評価できる人物を、
例え小説の中の人であっても、身近に感じられるのがとても
嬉しくて、この本は(図書館で借りたのですが)文庫に
なったら絶対買おう、と今からツバつけちゃいます(笑)。
話の中に、ドイツの哲学やらロシア文学についての言及も
あったりして知らない人名も多々あるのですが、これから
勉強したいと思います。
面白かったのが、パロマが漫画で知った碁の知識を披露して
いる場面があること……そう、『ヒカルの碁』です。禅や
小津映画がフランスで好まれているのは何となく知って
いましたが、こうも具体的に『ヒカルの碁』と出てくると、
なんとも頬が緩んでしまいました。

もしこの本の続きがあったら、パロマの成長ぶりを読みたい
ものです。ルネが望んだように、パロマの人生がうまく
いっていることを期待して。



優雅なハリネズミ
早川書房
ミュリエル・バルベリ
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
リンクありがとうございます♪

フランス人の日本文化好き(アニメ含む)もここまでまできたんですね(笑)

『ティファニーで朝食を』を見た時、主人公と同じアパートに住む日本人Mr.カトーがいかにもアメリカ人がイメージする日本人って感じで嫌でしたが、これはそんな事なさそうですね。
次の住人はクロサワでしょうか(^^)
花曜
2009/06/23 20:15
おかげさまでなんとかリンク
できました(^o^)\ こちらこそ
ありがとうです。

もしかしたら、この小説の中の
オヅ氏はちょっと素敵すぎるかも
しれません……イエ、普段の会社
のおぢさま達と比較する方が
間違いかもしれませんが(笑)。

日本文化の紹介のされ方も、
だんだん幅が広がってきて
なかなか面白いですよね〜。
小むらさき
2009/06/24 22:34

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