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zoom RSS 大正浪漫風妖(?)館

<<   作成日時 : 2009/11/12 22:09   >>

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長崎屋の若旦那は、物心ついたころからずっと妖たちと暮ら
してきましたが、この物語の主人公は、急にそんな環境に
転がり込んでいかざるを得ない状況でした。タイトルは
『妖怪アパートの幽雅な日常 (1)』、作者は香月日輪です。

稲葉夕士は、中学生の時に事故で両親を一度に亡くしてしま
いました。それ以来、肩身の狭い思いをしながら親戚の家に
やっかいになっていましたが……それも、この春で終わりに
できる、と思っていました。望んで合格した条東商業高校
には寮があり、親戚の家から出られるはずだったのです。
ところが、寮が火事で焼け、伯父さんの家には戻れず、と
いうより戻りたくもなく、途方に暮れていたところとある
不動産やさんの看板が目に留まりました。

ワケありの物件とはいえ、部屋代も安く、しかも賄いつき、
ということで喜んだ夕士くんですが、さっそく心の温かい
楽しい住人(人間でない生き物も含む)に手荒い歓迎を
うけます。詩人(人間)に画家(人間)に、骨董商(多分
?人間(笑))、霊能力者(おそらく人間)に、除霊師の
たまごの女子高生等々、これまでの常識の範囲からちょっと
はみ出た人たちとの交流によって、夕士くんのかたくな
だった心もほころんでいくのです。

……いいコトばかりの毎日、という訳ではなく、妖怪
アパート(正式名称:寿荘)に住まうものたちの中には、
哀しい絆でしか繋がれていない(元)人間がいました。
己の手で殺した我が子をもう一度手にかけずにはいられない
母親に、死んでしまった自分のお母さんを思い出して涙する
場面などは、ついついこちらも鼻の奥がつうんとして
しまいました。どんな絆でもあった方が良いのか、あるいは
悪いのか、考え込まずにはいられません。

できれば、善意や思いやりの色を帯びた絆で結ばれて生きて
いけたらそれは素晴らしいことでしょう。でも、たまに切り
たくても切れないような、そんなしがらみに囚われて生きて
いる人もいる、ということを頭の片隅においておくべきなの
かもしれません。

夕士くんは結局、学校の寮が完成しても妖怪アパートに
戻ってきました。今度は単に逃げ場所としての住まいでは
なく、いろいろな人間が、そして霊や残った思いがあること
を感じるために、そこの住人となったのです。
続きが出ているようなので、いろんな人間達がいて、様々な
深い事情を背負った人々がいる、と気づいた彼の成長を、また
楽しめると思います。



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
これ又、楽しそうな本。
小むらさきさんのブログを覗くたびに、あれもこれもと読みたい本が増えていきます。
仕事が今ちょっと忙しくて、本も読めない状態。
でも、フィデルマは読み終えました。
7世紀なんて、それこそ日本では「むらさきの〜」の歌がうたわれていた頃。
短編集で、登場人物が少ないのに、ページを戻って「そうか」と確認。
なんて記憶が悪いんだろうと情けなく・・・・
こっこ
2009/11/12 22:48
>こっこさん

お疲れさまです、お仕事が立て込んで
いらっしゃるとは……上の『妖怪
アパート』で和んでってください
(笑)。『フィデルマ』とはうって
変わって、かる〜い感じで楽しめ
ると思います。
ワタシも『フィデルマ』を読み終え
るのに妙に時間ばかりかかってしま
ったのは、用語の再確認に手間どっ
ていたからなんです〜(^^;;)A.
洋モノ小説の宿命なのですよ、
ええ、きっと!!
小むらさき
2009/11/15 21:44

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