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<<   作成日時 : 2014/02/03 21:06   >>

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いわゆるジャケ買い、というのでしょうか、表紙の絵に惹か
れて古本屋で購入しましたのをご紹介したいと思います。作
者は吉永南央(お初の作家でした)、タイトルは『萩を揺ら
す雨』です。70を過ぎたお婆さんが主人公の推理短編小説集
で、正直申しまして、絵のほのぼの感からは想像出来なかっ
た陰鬱さでした(苦笑)。

高齢のご婦人が主人公(の小説、しかも推理小説)といえば、
ワタシが真っ先に思い出すのがアガサ・クリスティの「ミス・
マープル」シリーズなのですが、同じような独居、老女、都
会からは離れた環境に住んでいる、という設定なのに主人公
杉浦草(76歳。「そう」が名前で、「お草さん」と呼ばれて
います)自身や全体の話の雰囲気の鬱々としていることとい
ったら、いっそ感心してしまうくらいです……ミス・マープ
ルと違って離婚もし(すなわち結婚して、亡くしてしまった
けれども子供を作り)、和食器と珈琲の試飲が売りのカフェ
を経営するという仕事もしているというのに!
季節を彩るような描写も、ご近所とのやり取りを描いた文章
も、英国の田舎の老嬢と日本の山間のカフェの女主人の小説
に共通してあるはずなのに、どうしてこうも読んでいて気が
滅入るのか、不思議でなりません。

あるいは、アガサ・クリスティを読んでいた頃のワタシから
は著しく馬齢を重ねたため(苦笑)、同じような内容の文を
今のワタシは重く受け止めて陰気だ、などという印象を持つ
に至ったのか……と変に勘ぐりたくなってしまいました。

ミステリとしては日常の謎といった感じで、実際に死体が転
がっていることは無いのですが、お草さんが老骨に鞭打って
逃げ惑ったり、両親に虐待されて衰弱死寸前の子供や、肉親
だからと家財すらをも売りつくしてお金を作り、自分は食う
や食わずで倒れてしまう青年、愛人の骨を食べるという、冷
静に考えたらカニバリズムじゃん、と思ってしまう代議士が
登場したりなど、慄然とさせられた一冊でした。


萩を揺らす雨―紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)
文藝春秋
2011-04-08
吉永 南央

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