大丈夫なのでしょうか

いわゆる「巻き込まれ型探偵」にもいろいろなタイプが
いると思いますが、この『白戸修の事件簿』の主人公、
白戸修くんは、読んでいるこちらがはらはらするほどの
お人好しです。

『事件簿』は5編の短編からなっていて、始まった頃の
白戸くんは、大学四年生(すでに就職内定済み!)ですが、
試験は受けなくてはなりません。破産法、という簡単なはずの
前評判とは裏腹に、ふたを開けてみれば大変な準備が
必要な試験を明日に控えて、それほど親しくもなかった
友人の殺人容疑を晴らすために忙しく駆け回るはめになって
しまいました。

……この最初の短編”ツール&スツール”に登場の謎の美女
「山霧純子(仮名。いやホントに、彼女はそうとしか名乗ら
なかったのです。)」も、とある組織の上層部にいるらしく、
なかなかカッコいいのですが、私のお気に入りは”トラブル
シューター”という短編の中で、白戸くんを振り回す北条隆一
という私立探偵です。依頼人のストーカー被害者の女性を、
白戸くんと守っていく手際に、プロの意地を見ました。
まァ、フィリップ・マーロウ等々、とにかく私立探偵という
生き物に、私はもともと点が甘いのですが(^^;))。

あまりにお人好しすぎて、世の中チャンと渡っていけるのか、
やきもきさせてくれる著者の大倉崇裕のなせるわざに、
心のどこかで安心しながら読める一冊です。
白戸くんの本領は、緊張やピンチな状態がピークのときに
機転をきかせることですね、ともし彼自身に言えたとしたら、
「褒められてるのかなぁ」と首をひねるのが見えそうで
ついつい笑ってしまうかもしれません。


白戸修の事件簿 (双葉文庫)

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この記事へのコメント

kuro
2008年06月13日 00:18
こんばんは小むらさきさん。CMTありがとうございます。楽しく読める読書レビューですね。今後の記事も楽しみなのでお気に入りに登録させていただきました。
小むらさき
2008年06月13日 20:33
kuroさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
よろしかったらまたお寄りください。
偏った趣味の本棚ですが、何かの参考に
でもしていただけたら~と、思って
おります。

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  • 白戸修の事件簿 大倉崇裕

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